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━━♪♪♪

携帯の着信音が鳴る。
春樹の音楽だった。

…春樹。

「…もしもし」

あたしは恐る恐る通話ボタンを押して電話に出る。

『亜実?今…。亜実のお父さんから電話あった…』

携帯電話から春樹の心配そうな声が聞こえる。

「…そう」

あたしはそっけなく返した。

…今は。
すべてを認められるほど大人ではないから。

まだまだ、子供だから。

『家出たんだって?』

「…うん」

あたしにはいつものように話すことはできない。

『一緒に住もうか』

春樹が言った言葉は驚きの言葉だった。

…もう。
一緒にはいられないんだよ?

「無理…だよ。あたしは春樹と同じ気持ちにはなれないよ」

あたしは言葉につまりながらもそう答えた。

『同居だよ』

春樹が何もかもわかってるような感じで話した。

…同居?

『同棲じゃないよ…。俺ら兄妹だろ?同居したっておかしくないだろ?』

携帯電話の向こう側から、春樹の優しい声が聞こえる。

…あたしは
何度、この声に助けられたかな?

また助けてもらっちゃっていいの?
あたしばっか助けてもらっちゃって。
いいのかな?

甘えちゃっていいのかな?

「…分かった」

あたしの口が勝手に動いていた。

『じゃあそうしよう!明日部屋借りに行くから、今日は香莉菜の家に泊まりな?』

春樹の明るい声は聞こえる。

「…うん」

春樹はなんて優しいんだろう。
こんなあたしに。
優しくしてくれる。

その優しさが心に染みた。

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